英ポンド/円相場は、1ポンド=161円台前半まで値位置を切り上げる展開になっている。英経済指標は強弱まちまちの展開になるも、追加金融緩和に対する警戒感の後退やドル/円相場の堅調地合もあって、年初来高値近辺での取引が継続している。
7~9月期の失業率は7.6%となり、6~8月期の7.7%から低下した。これは2009年以来の低水準となる。雇用者数も前月比+17.7万人と市場予測(+11.3万人)を上回っており、雇用環境に関してはマーケットの想定以上に堅調に推移していることが確認できる。一方、10月小売売上高(除自動車)は前月比-0.6%と大きく落ち込んでおり、英マクロ経済環境に対する評価は強弱まちまちとなっている。ただ、イングランド銀行(英中央銀行)が発表したインフレレポートでは、利上げを検討する目安とされている失業率が7.0%に達する時期が、8月時点の見通しから1年前倒しされており、金融政策環境が正常化される時期は予想されていたよりも早いとの見方が、ポンド相場の下値を支えている。27日の国内総生産(GDP)がリスクイベントになるが、そこで景気見通しに大幅な下方修正を迫るような動きが見られないのであれば、ポンド相場の堅調地合は維持されよう。従来の抵抗線だった160円の節目が、支持線に転換しつつある。
一方、6~7日に開催された金融政策委員会(MPC)議事録が公表されているが、現行の緩和策を維持することは全会一致で決定されたことが確認できる。市場の金利上昇期待をけん制するような内容も見られるが、全体としては特にサプライズ的な内容はみられず、ポンド相場に対する影響は限定されている。
テクニカルでは、一目均衡表の転換線(159.89円)円とのかい離がやや拡大しているが、同水準と160.00円の節目が支持線になる見通し。年初来高値更新で、短期スパンでは値が飛ぶ可能性もある。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から変わらず。14日RSIは66.38。